PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

JAなめがたしおさい葉物部会香菜部 塙 一雄(行方市)

JAなめがたしおさい葉物部会香菜部 塙 一雄

JAなめがたしおさいの「シャンサイ(パクチー)」

茨城県銘柄産地指定!JAなめがたしおさいの「シャンサイ」

JAなめがたしおさいの「シャンサイ」

JAなめがたしおさいの「シャンサイ」出荷形態

 茨城県の南東部に位置する行方市(なめがたし)は、霞ヶ浦と北浦に挟まれ、両湖岸は平坦な水田地帯、中央部は水はけの良い火山灰土壌に覆われています。さらには温暖な気候にも恵まれており、絶好の農業地帯が広がっています。  肥沃な土地柄から、行方市でできる作物は実に多彩で、生産量日本一を誇り、平成29年に『天皇杯』を受賞したサツマイモをはじめ、ちんげん菜、ごぼう、みず菜にれんこん、いちごなど実に様々な品目を生産しています。  そんな行方市で、シャンサイ(パクチー)の生産が始まったのは平成16年のこと。シャンサイはセリ科で、パクチー(タイ語)、コリアンダー(英語)、香菜(中国語)などと呼ばれていますが、すべて同じものを指し、独特の爽やかな香りがする野菜です。  当時、みず菜やわさび菜など、シャンサイに似た作物の栽培が得意な市内の生産者らが集まり、行方の風土に合った種を探して静岡県や岡山県、さらに中国やタイなど世界中を周ったそうです。  厳選した種と、もともとセリ科の作物を得意とする生産者の最高の技術とが合わさって、シャンサイの通年出荷(年間を通して市場に出荷すること)を実現し、市場では、「行方のシャンサイは香り高く、濃厚な味わい」と高い評価を得ています。さらに平成28年の“パクチーブーム”の波も手伝い、ぐるなび総研によって行われる、各年を代表する食文化を決定・表彰する「今年の一皿」にパクチー料理が選ばれるなどメディアの注目も集め、行方のシャンサイはグングン生産量を伸ばしました。 そして平成29年、JAなめがたしおさい葉物部会香菜部(以下:「香菜部」という。)のシャンサイは、「茨城県銘柄産地指定(※)」を受けたのです。 (※)茨城県銘柄産地指定…本県を代表する産地に与えられる認定制度。

シャンサイは「香り」が命

塙 一雄さん

 香菜部の生産者は16名(H31時点)。メンバーのひとりである塙一雄さんは、3年程前からシャンサイの生産を始めました。塙さんは、サツマイモやみず菜等の生産者でもあり、茨城県銘柄産地指定を受けている“行方市のわさび菜”の生産をイチから立ち上げた方でもあります。  「みず菜やわさび菜等の生産者は皆、仲が良いんです。そんな仲間達に勧められて、シャンサイの生産を始めました。シャンサイはとにかく、香りが命です。我々の持っている土耕栽培の技術なら、より香りが良いものを作れる自信はありました」と塙さん。  塙さんを含めた香菜部のメンバーは、1年・365日シャンサイを出荷する為に、「ローテーション播種」と呼ばれる生産者毎に時期をずらした播種(種蒔き)を行っています。

栽培へのこだわり

研修生が手作業で除草を行っています。 研修生が手作業で除草を行っています。

水のかかり具合を見て周る塙さん 水のかかり具合を見て周る塙さん

冬場の換気は一段と気を遣うそう 冬場の換気は一段と気を遣うそう

 シャンサイは、国内ではまだ新しい作物のため、農薬のガイドラインがありません。つまり、現時点では農薬が使えない作物なのです。代わりに、たい肥を入れた入念な土作りを行い、除草は手作業で行います。また、栽培においては、「水の管理とビニールハウスの換気に非常に気を遣う」と言います。  「シャンサイはセリ科で、水分をとても必要とする作物です。かと言って、あげ過ぎも良くない。成長の段階と、それぞれの圃場に合わせた水の管理が難しいです。まず、9時~10時頃に(ハウスに)来て、土や、葉等ハウス内全体を見ます。朝早く見るのは夜露が残っているのでダメなんです。それで、水が必要か不要かの判断をします。換気は常に行っていますが、収穫の1週間~10日程は特に繊細な換気が必要です。それまで与えてきた水分を、この期間で換気して乾かすからです。水やりも換気も、とにかく“ハウスをこまめに見る”これが何より大事ですね。」  JAなめがたしおさいのシャンサイ担当者によると、いつシャンサイが水を必要としている状態なのかは、経験を積んだ生産者にしかわからず、これぞ『匠の為せる技』なのだそうです。

販売時期
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

研修生と塙さん

夢~さらなる挑戦~

 シャンサイのおすすめの食べ方をお尋ねすると、「うち(香菜部)のシャンサイは“根付き”なのが特徴で、根は優しい爽やかな香りで食感が良いので、よく洗って天ぷらにするとおいしいです。」加えて、「わさび菜やみず菜等と、ちくわと塩昆布を和えて一緒にサラダで食べるのがオススメです」と教えていただきました。  「生産量日本一」を誇るJAなめがたしおさいのシャンサイは、年間を通した出荷を実現しています。しかし、実は暑さにとても弱いシャンサイ。夏場はどうしても生産量が落ちてしまいます。  「夏場にいかにうちのシャンサイを消費者に提供できるか、ここが現状の課題です。仲間皆で考えながら、この打開策を打ち出して、365日しっかりお客さんに提供できるように取り組んで行きたい」と力強く語ってくれました。

買えるお店
OKストア ※仕入れの状況により店頭に無い場合もあります
オンラインショップ
インフォメーション
名称 JAなめがたしおさい葉物部会香菜部
住所 茨城県行方市山田3289 (JAなめがたしおさい北浦営農経済センター)
お問い合わせ TEL: 0291-35-3515
FAX: 0291-35-3518
WEBサイトURL https://ja-ns.or.jp/contents/office.html
その他の情報 ※この情報は、2019年3月時点のものです。

今、おすすめの記事

TOP