いばらきの食に挑戦する人たち
常においしいメロンを作り続ける 根崎 直喜さん(鉾田市)
おやじは先生
茨城県はメロン生産量、消費量共に全国1位を誇るメロン王国。なかでも鉾田市は、県内で最大のメロン生産量を誇る大産地です。そんな鉾田市で代々メロン農家を営む根崎家の長男、根崎直喜さんは、JAほこたの「メロン研究部」の部長を務めています。 根崎さんがメロン作りを始めたのは、今からおよそ16年前。就農当初から現在まで一貫して、メロン作りの先生は、お父さんなのだとか。 「おやじは父親というか、先生ですよね。メロンで何十年も生計を立ててきた人ですから、やっぱり、知識、経験が豊富なんですよ。良い先生がいつもそばに居てくれるので、自分は恵まれているな、といつも思います。昔から今も頭が上がらない。一生、先生です。」 就農当初は、畑で父に怒られて涙をぬぐったこともあったそうで、それでも、「経験のない自分には反論できなかった」と、根崎さんは当時を振り返ります。
後世に残したい「イバラキング」
茨城県の農業技術を結集し、10年以上の歳月をかけて開発された茨城のオリジナル品種「イバラキング」メロン。根崎さんは、イバラキングの立ち上げ時から生産を行っています。 「メロンは、旬の中間期には、とても作りやすく優秀な“アンデス”という品種があります。しかし、旬の前期にはなかなか良い品種が無かった。メロン研究部でも、部員が互いに試行錯誤して、前期に出せる良いメロンはないかと探していたところに、イバラキングの試験栽培の話が来て。試作を広げていくうちに、県のオリジナル品種ということもあって、県にもバックアップしていただいたんです。」と語る根崎さん。最初は数玉作るところからスタートして、イバラキングの特徴をつかんでいったといいます。 「イバラキングは、中身の「玉」が肥大しやすいので、皮の部分にネットがたくさん入りやすい。中と外の肥大の比率をバランス良く育てていくのが難しいところです。でも上手に作れば、どこにも負けないメロンだと思いますよ。私はメロンの食味の良さを重視しているのですが、これほどまでに食味の良いメロンは他にないと思います。茨城メロンの新たな魅力を発信できるメロンになっていくと思います。」
メロンバカ
メロン作りは、収穫の時にいかに良いメロンに仕上げるかが勝負。そこに辿り着くためには、良い土を作り、しっかりと根を張らせ、ハウスの温度管理や土の地熱管理など、手間ひまを惜しまずひとつひとつのメロンを大切に育てあげることが重要です。 「収穫近くに、葉が萎れてくるくらいがメロンの樹の水分が切れてきて、美味しいメロンができるんです。葉が萎れてくるのがあまり早いと収穫時に実の栄養が葉に逆流して実が柔らかくなってしまう。また、私は、メロンがおいしくなったサインである二次ネットの張り具合をよく見ます。」 根崎さんがメロンを作っているハウスはおよそ40棟。それぞれ環境の違うひとつひとつのハウスの特性を見極め、ハウスごとに適切な仕事をしていく。考えただけで気が遠くなる仕事です。 「メロン農家は、自分をはじめ、皆“メロンバカ”って言葉がぴったり(笑)。面白いですよ。ハウスの温度管理が最も大事な2月、3月ごろは、もう寝ても覚めてもメロンのことしか考えられない。とにかくずっと畑にいないと安心しないんです。出掛けてしまった日にはメロンのことがが気になって気になって。」
こだわり
「今こうやって自分たちが同じ土地で一つの作物を何十年も作り続けていられることこそがこだわりだと思う。今メロン農家で食べていけている人達は、おやじをはじめ、代々先代が土作りから、研究を重ねて、何十年もメロンを作り続けられるノウハウを構築してきたから。そのノウハウがあるから自分もメロン農家をやれているわけで。自分達は、それを受け継いでいるに過ぎないと思います。」
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根崎さんは、就農当初から現在も思い続けていることがあります。それは、「家族経営で高みを目指す」。その思いは、就農当時からの先生であるお父さんに言われ続けている言葉から生まれたそうです。 お父さんには「絶対に、失敗しちゃダメだ!失敗したら明日から飯は食えない、そのくらいの気持ちでやりなさい。」と言われているそうです。家族一致団結して、高みを目指す根崎さん。 「自分の名前が付いたメロンが予約でいっぱいで生産が追い付かない、そんな日が来ることを目指してやっています。」と力強く語ってくれました。
インフォメーション | |
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名称 | JAほこた |
WEBサイトURL | http://www.ja-hokota.or.jp/ |
その他の情報 | ※この情報は2015年度時点のものです。 |
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