PICK UP / 茨城のうまいもの特集

いばらきの食に挑戦する人たち

安心して食べてもらえるぶどうを目指して 圷正敏さん(東海村)

安心して食べてもらえるぶどうを目指して 圷正敏

土と水にこだわるぶどう作り

ロッコク沿いの六国(ろっこく)アクツぶどう園

 茨城県の中心を南北に走る国道6号線、県内では“ロッコク”と呼ばれています。東海村のロッコク沿いにある「六国(ろっこく)アクツぶどう園」では、有機栽培で欧州系のぶどう作りを行っています。  代表の圷正敏さんが、父母からぶどう園の経営を引き継いだのは昭和54年頃。その当時、圷さんは、巨峰を中心に生産していたぶどう園から、皮ごと食べられる西洋品種のぶどう、いわゆる「欧州系ぶどう」を生産・販売するぶどう園へ切り替える構想を練っていました。  当時、茨城県内では、欧州系ぶどうの生産・販売をしているぶどう園はほとんど無かったため、「茨城の土地でどうやったら欧州系ぶどうを普及させることができるか、県の旧園芸試験場と一緒に研究を重ねました。」と同時を振り返ります。  欧州系のぶどうの生産に加え、圷さんがもうひとつこだわったのが、有機栽培。有機農業の推進を目指す農業経営者などが集う「マルタ会」に参加し、そこで土づくりと安全性の勉強をしながら、ぶどうの研究を重ねました。

水とたい肥にこだわるぶどう作り

 化学合成農薬と化学肥料を使わずにぶどう作りを始めた当時を振り返り、圷さんは言います。  「2年間くらいは上手く行くんです。でも3年目に入った途端、虫が付いたり病気が出たり、大変なことになりました。そこで当時、筑波大学が開いていた『つくば農学塾』で、改めて有機農業のなんたるかを学び、土づくりの方法を改め、そして与える水も変えました。」  落ち葉、稲わらやカニ、エビなど、山のものと海のものを使った堆肥を投入して土を作るとともに、クラスターの小さい水(※)に空気を入れる、エアレーションという方法で樹に水を与える『陸の水耕栽培』を用いました。この方法により、虫や病気になりにくく、根がしっかりと張った葉の元気な強い樹ができたそうです。 (※)水分子の集合体が小さく多い水のこと。吸収されやすく、細胞内への浸透も早いといわれる。

弾むぶどう

 2010年頃から、六国アクツぶどう園では、巨峰系の生産をやめ、全て欧州系ぶどうに切り替えました。現在では、約50種類のぶどうに加え、新品種の育成も常に行っています。 皮ごと食べられるぶどうも少しずつ知られるようになり、リピーターも増えていきました。  「大きさよりも実が詰まったぶどう作りを目指しています。粒の大きなぶどうは、贈答用などでは大変喜ばれると思いますが、たくさんの種類のぶどうを少しずつ食べてもらえるよう、私はあえて“家族用のぶどう”として、小さく作っています。」   圷さんの作ったぶどうは、とてもジューシーなのに、実をカットすると果汁がこぼれない不思議なぶどうです。また、ぶどうを落としても割れずにボールのように弾みます。 圷さん曰く、「これこそが実が詰まっている証」なのだとか。

販売時期
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夢~さらなる挑戦~

 圷さんは、子どものアレルギーに悩んでいた近所の母親から、「うちの子でも食べられるぶどうを作ってもらえないか」と相談されたことがきっかけで、有機栽培でぶどうを作ろうと決めたそうです。 「食べ物から健康を作る、これが私の願いです。安心して食べられるおいしいぶどうを作り、また食べたいと思ってもらえたら幸いです。」  圷さんの挑戦はまだまだ続きます。

買えるお店
六国(ろっこく)アクツぶどう園
住所: 茨城県那珂郡東海村船場817
TEL: 029-282-3175
FAX: 029-287-1117
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