いばらきの食に挑戦する人たち
米川農園「佐之衛門の焼き芋」 米川 睦美さん(鉾田市)
米川農園
佐之衛門の焼き芋
米川農園は、鉾田市沿岸でさつまいもと焼き芋、キュウリなどを生産・販売しています。 米川農園が生産しているさつまいもは、主にシルクスイート、べにはるか、あいこまち、ハロウィンスイートの4種。 有機質肥料を使って丁寧に作る土と、鹿島灘の海沿いならではの“潮霧(しおぎり)”と呼ばれる海水を含んだ霧が、さつまいもにおいしさをもたらしてくれるのだそうです。 屋号から取って『佐之衛門(さのえもん)』と名付けられた米川農園の「佐之衛門のさつまいも」は極上の甘さと評判で、日本全国の市場から指名で注文が来るほど。 また、米川さんが手掛けるこだわりの『佐之衛門の焼き芋』は種類が豊富で、消費者の多様なニーズに応える大人気商品となっています。
佐之衛門のさつまいも・焼き芋
潮霧の様子
シルクスイートの焼き芋
米川農園の広大なさつまいも畑からは、海(鹿島灘)が見えます。 「この辺りの畑は、海沿いならではの海水を含んだ“潮霧”が発生します。それがうちのさつまいものおいしさの決め手。潮霧が、さつまいものほどよい塩分と栄養価の高いミネラル分、糖度の高さに繋がります。うちのさつまいもは、端っこを食べると塩味がするんですよ」と米川さん。 生産品種にもこだわり、地域でいち早く、なめらかな口あたりと上品な甘さの「シルクスイート」の生産を始めました。 「シルクスイートの種が販売される前、種が手に入ったので試しに作ってみたんです。食べてみたら『これはおいしい!』と私がとても気に入り、栽培を始めました。2013年に、JA茨城旭村に出荷している農家では初めて、シルクスイートを出荷したんです。安く売る気は無かったので、それなりの値段を付けて出しました。そうしたら市場で高い評価をいただいて。それからお陰様で今も高値で取引させていただいています。」 『おいしい』と聞くとすぐに作って食べてみるというのが米川さんのスタイル。甘く柔らかでホクホク感がある「あいこまち」や、芳醇な香りと高い糖度、オレンジ色の果肉が特徴の「ハロウィンスイート」などの生産も始めたそうです。
佐之衛門の焼き芋
加工場内の米川さん
米川さんは、「JA茨城旭村甘藷婦人部」の部長を務め、地元のさつまいものPRなどを精力的に行っています。 そんな折、2016年から、米川さんは以前から興味があったという焼き芋作りを始めました。 「うちのさつまいもは色々な品種があるので、手軽に食べられる焼き芋ならそれぞれのおいしさを知ってもらえて、チャンスが広がるんじゃないかと思って始めました。干しいも等と比べて設備投資も複雑ではないし、何よりやってみたかったんです(笑)。」 焼き芋を遠赤外線のオーブンでじっくりと焼き上げる“焼き”の工程は、さつまいもを掘った時期、芋の状態を米川さんが見て焼き方を変え、さらに品種ごとに違った焼き加減で行うため、他のスタッフにはできないと言います。 焼き芋を試食させていただきましたが、『佐之衛門のさつまいも』の力強い濃厚なさつまいものうまさをベースに、品種それぞれの香り、味、食感が際立ち、絶品でした。さつまいもを熟知しているからこそ、これほどおいしい焼き芋ができるのだと感じました。
キュアリング処理と定温貯蔵
巨大な定温貯蔵庫
米川農園のさつまいもは収穫後、貯蔵庫内を蒸気で熱したのちに一気に冷却する“キュアリング処理”を行い、定温貯蔵庫で最低1カ月、最長1年間貯蔵してはじめて『佐之衛門のさつまいも・焼き芋』になります。 「さつまいもって、収穫直後は甘くないんです。貯蔵することで、さつまいものデンプンがショ糖などに変化して甘みが増します。食感も、貯蔵することでそれぞれの品種の特長が出てくるんです。キュアリング処理で最適な水分やおいしさをとじこめて、定温貯蔵庫に最低でも1カ月置いたさつまいもを出荷したり、焼き芋にしたりしています。」 さつまいも農家にとってこれらは重要な工程になりますが、一方で、さつまいもそのものの品質が良くなければいくら処理や貯蔵をしてもおいしいさつまいもに仕上がらないため、品質と味にこだわったさつまいも作りが最も重要だと教えてくれました。
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米川さんに今後の展望をお聞きしたところ、「『佐之衛門』の名前が全国に知られるように、全国に向けてPRしていきたいですね。あと、これは夢ですが、自分で焼き芋屋さんをやってみたい。現実問題、さつまいもを作って、焼き芋を作って、焼き芋屋をやるとなると大変なのは目に見えているんですが…、やってみたいですね。」と語ってくれました。 『佐之衛門の焼き芋』は、鉾田市近隣の直売所で販売しているほか、自社オンラインショップで、『絶品焼き芋 食べ比べセット』として購入することができます。 焼き芋のサイズは、大小様々でさつまいも農家ならでは。小さな焼き芋は、「口に入れやすく食べきれる」と子供向けに好評なのだとか。 真空パックで包装され、夏は冷凍、冬は常温の形態で販売されていますが、冷凍品を半解凍して、アイスクリームと一緒にアイス焼き芋として食べるのもオススメです。
インフォメーション | |
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名称 | 米川農園 |
住所 | 茨城県鉾田市上釜4169 |
お問い合わせ |
TEL: 0291-37-4547
FAX: |
WEBサイトURL | https://sanoemon.com/index.html |
その他の情報 | ※このページの情報は、2020年10月時点のものです。 |
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