いばらきの食に挑戦する人たち
ご褒美、ごちそうに、ぜひ常陸牛を! 橋本武二さん(茨城町)
牛肉のスペシャリスト
茨城県の銘柄黒毛和牛「常陸牛」は、指定生産者の情熱と長い期間培われた改良や確かな技術に支えられた高級ブランド牛肉です。しかし、指定農家で飼育された牛が全て「常陸牛」になるものではなく、(社)日本食肉格付協会が定める全国共通の“格付け等級”に基づき、「B4」以上に格付けされた最高級の肉のみが「常陸牛」として認定されます。 茨城町で黒毛和牛を生産する橋本畜産の代表橋本武二さんは、県内一の常陸牛生産量を誇ります。橋本さんの出荷する牛のうち、なんと9割が「常陸牛」に認定されています。また、橋本さんは自らが生産した牛を自社で加工し販売まで行う“トキワフーズ”を1989年に立ち上げます。“肥育から食肉加工まで一貫して取り扱う牛肉のスペシャリスト”をコンセプトに、「常陸牛」をより多くのお客様に親しんでもらおうと日夜努力しています。
目先の利益追求はしない
牛と豚の生産者である父のもと、日々仕事に勤しんでいた橋本さん。牛の魅力にひき込まれ、平成元年からは牛の生産一本に絞ったと言います。「常陸牛」は、今でこそ全国にもその名が知られる存在になりつつあるものの、当時の消費者の目には「高い牛肉」としてしか映らず、販売は苦戦を強いられたそうです。 橋本さん「こんな田舎(茨城)で作っているのに値段は高い、というイメージだったんでしょうね。最初は全然売れなかった。売れなくて売れなくて、でも、安売りは絶対にしませんでした。例え売上がゼロでも、営業担当の人間には、お前の給料は絶対に保障するから、安く欲しいという所には売るな、と言っていました。」 常陸牛の魅力とそのおいしさ、そして生産が決して楽ではないことを一番わかっているだけに、目先の利益追求はしない。これは橋本さんが橋本畜産創業当時から今も貫いている信念です。
愛情を持って育てる
橋本さんは、牛が認める“牛使い”だと、美明豚生産者の中村さんは言います。黒毛和牛は出荷の時期ともなると、軽自動車ほどの大きさになり、牛が嫌だと言えば人間の力で動かすことは困難です。ある日、同業者(牛生産者)の牛が動かなくてどうしようもないと困っているところにたまたま現れた橋本さん。橋本さんがその牛のタズナを持って引いた途端、それまではテコでも動かなかった牛がひょいと起き上がったのだそうです。 橋本さん「牛を育てるのは、赤ちゃんを育てるのと同じです。言葉は話せないけど、愛情をかけて注意深く見ていれば、何を求めているかわかります。」 牛と向き合うこと30年以上、子牛の買付けから肥育を続けてきたその経験から、牛の目を見れば言わんとすることがわかるのだといいます。
オリジナルの餌
黒毛和牛が柔らかくておいしいのは、オレイン酸との関係が大きいと言われています。オレイン酸は不飽和脂肪酸と呼ばれる種類の脂肪で、通常の脂肪と比べて脂の融点が低いのが特徴です。オレイン酸はかなり低い温度でも融解していくという特性から、人の口に入れた瞬間に脂が溶け出し、脂の滑らかな食感が生まれます。 橋本さん「牛には、オレイン酸が多く出るような当社オリジナルで配合した餌を与えています。」 配合内容については企業秘密ですが、格付けを決める核となる餌についても一切妥協はせず、利益追求よりも品質を優先させているそうです。
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橋本さん「常陸牛はいわゆるごちそうですよね。牛肉のサシには“ほほえみが出る成分”が含まれていると聞いたことがあります。そんな風に、笑顔がこぼれる牛を作りたい。『おいしかった!』と皆様に言っていただけるようなものを作りたい。利益よりその方が大切です。そのためには日々努力です。」 ご褒美、ごちそうに、ぜひ常陸牛を!
インフォメーション | |
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名称 | 橋本畜産株式会社 |
住所 | 茨城県東茨城郡茨城町宮ケ崎1874-1 |
お問い合わせ |
TEL: 029-293-7796
FAX: |
WEBサイトURL | http://www.hashimoto-beef.co.jp/index.html |
その他の情報 | この情報は平成26年12月時点のものです。 |
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