いばらきの食に挑戦する人たち
希少品種をつくり続ける産地として 足立富士夫さん(龍ケ崎市)
サラリーマンから施設園芸部会員に
足立さんは、43歳の時に就農した後、JA水郷つくば施設園芸部会に所属し、ファーストトマトを生産するトマト農家です。 実家は代々稲作農家で、両親は兼業農家。当初、足立さんは就農するつもりはなくサラリーマンとして仕事をしていました。 「サラリーマンとして仕事をしながら、地域の消防団に所属して活動をしていていましたが、消防団の仲間が施設できゅうりと水耕でトマト栽培をしているという話を聞くうちに農業に興味を持ちました。同時に、親が年を重ねるにつれて"そばにいれたらな"と思う気持ちもでてきて、就農を決意しました。」 足立さんは、サラリーマンとして測量の仕事をしていたこともあり、自身が使う20アールのハウスは3か月かけてご自身で建てたといいます。「壊れた時も自分で修理できるし、自分で作ることで、周りの人たちにも「本気」をアピールできると思ったので。」と足立さん。最初は、いちご農家を目指したそうですが、県の普及センターに相談をしたところ、施設園芸部会に入ってJA水郷つくばのファーストトマトをつくった方がいいだろうとアドバイスを受けて、施設園芸部会の先輩の所で研修を始めたそうです。
難しいトマト作り
研修を終え、トマト作りを始めた足立さん。「ちゃんとできるまでに10年はかかる」と言われたそうで、実際、最初の4、5年は失敗が続いたそうです。 「ファーストトマトの栽培は、湿度と温度の管理が難しく、最初の頃は他の部会員の方々に比べて2、3割収量が少なかったですね。栽培のノウハウは確立されているのですが、難しい。ここ3、4年でやっと安定してきました。」 足立さんたちのJA水郷つくば施設園芸部会では、皆が種からトマト作りをしています。9月に播種して苗をつくり、ポットに移して定植するそう。収穫が終了した後、夏場を除き、ほぼ24時間体制で品質の良いファーストトマトづくりに励んでいます。鉢上げしてから2月初めの収穫が始まるまで、2週間ごとに勉強会を開き、収穫が始まってからは毎週金曜日に集荷場で集まって、部会員のトマトの状態を皆で確認しているそうです。「部会員は家族ぐるみの付き合いですね。年間を通してずっと一緒です(笑)」 こうした産地の取り組みが目にとまり、大田市場の方たちも年間6、7回は産地に訪れ、市場の基準などの指導をしてくれるそうです。「安定出荷と品質の向上を心掛けながら、この産地を守っていきたい」と部会長を任されて一段と志が高くなったと教えてくれました。
1 月 | 2 月 | 3 月 | 4 月 | 5 月 | 6 月 | 7 月 | 8 月 | 9 月 | 10 月 | 11 月 | 12 月 |
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「今後は、今の面積で収量を伸ばしていきたいです。それから、今の部会員は10人で、私が一番年下ですので、組合としての高齢化が課題になっています。後継者がいる方も3人いるのですが、新規就農を志す人や、後継者がもっと増えたらいいなぁ、と思っています。ファーストトマトは、産地が少なく、全国的にも希少価値があります。部会で築いた栽培ノウハウがあるので、これからも市場価値を高めて産地を支えていきたいです。」
インフォメーション | |
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名称 | JA水郷つくば |
住所 | 茨城県龍ケ崎市須藤堀町8200 |
お問い合わせ |
TEL: JA水郷つくば営農課 0297-62-2066
FAX: |
WEBサイトURL | https://ja-sgt.or.jp/ |
その他の情報 | ※この情報は2015年度時点のものです。 |
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