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2024.09.13|ニュース

幻の恵水プロジェクト~2024年~

全国屈指の梨産地である茨城県の梨生産者が取り組む「幻の恵水プロジェクト2024」

全国屈指の梨産地である茨城県。
県内で生産されているさまざまな品種の中でも、県オリジナル品種「恵水(けいすい)」は、大玉で糖度が高いことが特長です。
この恵水のトップブランド化に向け、県と梨生産者たちは、1万果に1果と言われるほど希少な「幻の恵水」(重さ1kg以上、糖度14度以上、外観が優れるもの)の栽培に挑戦する「幻の恵水プロジェクト」を2022年に立ち上げました。
生産者のプロジェクトにかける強い想いが実り、2022年は無事「幻の恵水」の栽培に成功し、高級果実専門店の京橋千疋屋において過去最高価格の1玉10,800円で販売されました。
恵水のトップブランド化に向けた強い想いを胸に、2023年には新たな生産者が加わり、2024年も引き続き「幻の恵水」の栽培に挑戦しています。

「幻の恵水プロジェクト2024」梨生産者 (左から)松本 幸哲さん(筑西市)・飯村 栄さん(石岡市)・磯山 仁さん(下妻市)

「幻の恵水プロジェクト2024」梨生産者 (左から)松本 幸哲さん(筑西市)・飯村 栄さん(石岡市)・磯山 仁さん(下妻市)

「恵水」とは

 茨城県オリジナル品種の梨「恵水」は、茨城県農業総合センターの研究者や技術者がその技術力を結集し、品種開発に取り組んで17年、約4,300個体の中から選んだ品種です。
以来、高品質な果実を作るために生産者と一体になって栽培試験を繰り返し、平成23年(2011年)に品種登録されました。
 平成25年(2013年)から県内で栽培が開始されて以降、年々栽培面積が増えており、おいしい果実がみなさんに届くようにと、大切に育てられています。

「幻の恵水」プロジェクト~2024~

【生産者対談 「幻の恵水プロジェクト」にかける想い】
今年の「幻の恵水」プロジェクトに挑戦する生産者は、昨年からチャレンジしている松本幸哲さん(筑西市)、3年目の節目を迎えた飯村栄さん(石岡市)と磯山仁さん(下妻市)の3名です。このプロジェクトに懸ける想いを取材しました。

恵水のこだわりや魅力は?

下妻市 磯山 仁さん

下妻市 磯山 仁さん

磯山さん:
2022年に日本野菜ソムリエ協会が開いた「第1回全国梨選手権」で、私が会長を務める下妻市果樹組合連合会の「恵水」が最高金賞を獲り、全国に衝撃を与えました。
恵水は素材を吟味する専門家も認めた、高いポテンシャルを秘める品種です。大玉で糖度が高く、そして果皮に色ムラなく収穫するのが私のこだわりです。

飯村さん:
形の悪い変形果が当たり前に出てしまう品種です。とにかく全ての作業で手間暇がかかり、特に摘果作業は「あきづき」の倍くらい時間がかかります。それが逆に魅力なんです。精魂込めて納得のいく味や形のものが実ると、農家冥利に尽きます。
糖度は梨の中でトップクラスで、間違いなく消費者から選ばれる品種なのではないでしょうか?

松本さん:
ズバリ、深い甘さが魅力ですね。私の農園の直売所では「甘くておいしい」「もう他の品種の梨は食べられないかも」というお客様の声が続々と寄せられています。
梨農家として挑戦しがいのある品種だと感じています。

「幻の恵水プロジェクト」にかける想いを教えて下さい。

石岡市 飯村 栄さん

石岡市 飯村 栄さん

飯村さん:
県の職員をはじめ、多くの関係者の協力のもとで挑み、地域の仲間達からも多大な注目や期待が寄せられている夢の詰まったプロジェクトです。初代メンバーとして、そして梨農家のプライドを懸けて「やってやるぞ!」と意気込む想いに変わりはありません。

磯山さん:
梨を上手に作る人が他にもたくさんいる中で、プロジェクトの顔として参加させていただけているのは大変光栄なこと。我々は〝恵水の宣伝隊〟として他の農家を牽引するため、ハートを熱く燃やしています。
当然プレッシャーや責任があり、失敗も重ねてきましたが、石の上にも三年の想いで一生懸命に挑戦してきました。「幻の恵水」を一玉でも多く生み出すことで、恵水全体の人気につなげたいと考えています。

松本さん:
まだ収穫未満の時期から問い合わせが来るほど、県内では徐々に知名度が上がってきたと実感する一方、恵水自体はまだ新品種の扱いで全国的な知名度は低め。1kg越えで、しかも糖度14度以上というインパクトある大玉の「幻の恵水」をきっかけに、全国の梨好きの方々に広まってくれると嬉しいです。

「幻の恵水」の栽培に向けて工夫していることは?

筑西市 松本 幸哲さん

筑西市 松本 幸哲さん

磯山さん:
一般的に大玉の梨は早めの摘果作業が推奨されますが、恵水は開花後30~40日の特定の期間で残すものを決めるのがポイント。果形が乱れやすい品種ですが、適切な時期に仕上げるとクリアできる実が確実に増えます。
だから、他の品種より優先して作業しています。きちんと病害虫防除を施した健全な木でしか、おいしい梨は生産できません。なかなか手が回らないのですが、それを改善できれば「幻の恵水」が誕生する確率がアップすると思います。昨年の成果は4、5個でしたが、今年はいくつ実るか待ち遠しいです。

飯村さん:
年間5000個ぐらい恵水を出荷していますが、「幻の恵水」が誕生する木の指標の一つとしては樹に勢いがあること。真上に伸びる枝が多く、太さや長さがある木に実る傾向はありますが、運の要素も大きく、一概には言えないですね。梨の中でも最大級の大きさになるので、着果数は他の品種と比べて極限まで制限します。
そして、枝や棚の凹み跡やキズ防止のパット張りは欠かしません。「幻の恵水」候補以外にも全てつけていますが、その作業だけで2人で5日から1週間くらいかけていますね。

松本さん:
他の皆さんと同じく摘果作業に神経を尖らせて間引きを多めにしています。また、有機質肥料を中心に土の保水性や排水性などを高める土壌改良資材を使って、梨作りの基本に忠実な土作りにこだわっています。
毎年、天候が違うので、幻の基準を満たすサイズに育てるには、やはり運次第の部分も大きいと感じています。でも、困難が立ちはだかるからこそ、達成できた時の面白さも充分にありますよ。

「幻の恵水」の高級果実専門店での販売

京橋千疋屋

京橋千疋屋

伊勢丹新宿店

伊勢丹新宿店

今年も3人の梨生産者が栽培に挑戦した「幻の恵水」。
今年も異常な猛暑でありましたが、これまでの経験を活かし、手間を惜しまない大変な努力の結果、今年も無事収穫することに成功しました。
「1玉の重さ1kg以上、糖度14度以上で外観が優れるもの」という厳しい条件をクリアした奇跡の梨ともいえる「幻の恵水」が、9月7日から高級果実専門店の「京橋千疋屋」、百貨店の「伊勢丹新宿店」で各店1玉が10,800円で販売されました。
恵水のおいしさと品質の高さに対する評価が広がりつつあるのを感じています。
※このページの情報は、2024年9月10日時点のものです。

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