旬のうまいもの特集
特集 常陸牛
常陸牛とは
「常陸牛(ひたちぎゅう)」は、茨城県が誇る銘柄牛で、指定生産者の磨かれた飼育管理技術と厳選された飼料により、30か月にわたり育てられた黒毛和牛の中から、牛枝取引規格A、Bの4等級と5等級に格付けされた最高級ブランドです。
赤身にもほどよくサシが入った、おいしい霜降り肉です。
常陸牛の歴史
茨城県における肉用牛の歴史は古く、天保3年12月(1832)、徳川斉昭公が現在の水戸市見川町に桜野牧を設け、黒牛を飼育したという記録が残っています。
時代を重ね、昭和51年7月に茨城県産牛銘柄確立推進協議会が発足し、本県の優秀な黒毛和種を「常陸牛」と命名、昭和52年には現在の茨城県常陸牛振興協会が設立されました。
茨城県の黒毛和種は県北部地域に定着し、その後、県内各地に広がっていきました。生産者のたゆまぬ努力と精進の積み重ねの結果、品質の高さから、「常陸牛」が高く評価されるようになりました。
常陸牛の生産頭数は年々増加し、平成15年度には2,220頭でしたが、令和2年度には10,000頭を達成し、全国でもトップクラスの生産頭数を誇る銘柄牛となっています。また、国内販売店舗数も右肩上がりで推移し、平成27年度には500店舗を超えました。
- 徳川斉昭公
- 茨城県常陸牛振興協会
海外でも食べられている常陸牛
平成26年のベトナムへの輸出を皮切りに、アメリカ、ベトナム、タイ、シンガポールなどへの輸出に取り組んでいます。肉質についてはもちろんのこと、衛生的かつ快適な牛舎や放牧等の実施によるストレスの少ない飼育環境という点でも高評価を得ています。今後も、商談・交流会の開催やトップセールスを行うことで販路拡大を進めていきます。
生産者のこだわり
「牛にストレスをかけない生産方法」を追求しており、佐藤さんが育てた「常陸牛」は、栄誉ある“農林水産祭天皇杯”の受賞歴もあります。
餌も自社で作る「自給飼料」そして、地域循環型農業も佐藤さんのこだわりです。
また、牛の寝床で使用したもみ殻やおがくず、糞・尿は自家製の堆肥にして飼料稲や牧草等の肥料にしたり、稲わらをくれる近隣農家の畑の肥料になったりしています。
常陸牛ができるまで
子牛出生
繁殖農家で母牛に子牛を生ませ、子牛を育てます。
育成期
飼料をたくさん食べられるよう、胃を丈夫にするため、稲わらなどの粗飼料を多めに与えます。
肥育期
肥育農家では、子牛市場から子牛を買って肥育を開始します。
より品質のいい牛肉にするため、日々の健康状態を確認しながら粗飼料と配合飼料をたくさん給与します。
出荷・枝肉
県内外のと畜場へ出荷し、枝肉にします。
判定・刻印
枝肉の切断面を見て、社団法人日本食肉格付協会が判定して格付けします。
取引規格がB4以上となった枝肉にのみ「常陸牛」の刻印を押します。
店頭
常陸牛の販売指定店や推奨店等に常陸牛が並びます。
より良い「常陸牛」を求めて
常陸牛の更なる品質向上を後押し!「種雄牛造成」
常陸牛は、指定生産者の卓越した飼育管理技術と厳選された飼料により生産されていますが、常陸牛のもととなる子牛を産む母牛や交配される父牛の能力も非常に重要です。
子牛の多くは、農家が飼育する雌牛に人工授精を行うことにより生産されています。そこで、茨城県では、県内で飼育されている雌牛の能力向上を図るとともに、高品質な常陸牛生産を後押しするため、父牛である種雄牛の改良を行っています。
どんな雄牛でも、種雄牛になれるわけではありません。まず、県内で飼育されているトップクラスの能力を持つ雌牛に指定交配を行い、産まれた雄牛の発育を調査します。次に、発育良好な雄牛から、県内農家の協力のもと実際に子牛を生産、肥育し、産肉能力を調査します。そこで特に優れた成績が得られた雄牛だけが種雄牛として選抜され、県内の雌牛の人工授精に利用されます。1頭の種雄牛を造成するためには、関係者の情熱と約6年という長い月日がかかるのです。
茨城県肉用牛研究所では、増体・肉質のよい「北平関(きたひらぜき)」などの種雄牛を供給しています。
北平関
「新ブランド常陸牛」で更なる高みへ
県では、常陸牛のさらなるブランド力強化を図るため、生産者の協力のもと、おいしさを追求した新たな常陸牛のブランディングに向けた取組を開始しました。旨みや食味を良くする「オレイン酸」と、口当たりの良い「小ザシ(霜降りの細かさ)」を指標とした新たなブランド基準を策定し、お肉のおいしさを保証した常陸牛は、更なる高みを目指します。
常陸牛の部位と特色
首・スネ | 硬い部分ですが、煮込み料理にすると良いだしが出ておいしくなります。 |
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ロース | やわらかく適度に脂肪がのっており、幅広く利用できます。薄切り肉は、すき焼きやしゃぶしゃぶに向いています。 |
サーロイン | 背肉の部分で、筋肉が少なくやわらかい部位。厚切りで食べるのがおすすめです。 |
ヒレ | 赤身にほどよく脂肪の入った霜降りが特徴で、ステーキ、ロースト、しゃぶしゃぶ、焼肉やすき焼き風の料理に向いてます。 |
バラ肉 | 風味豊かで焼肉、炒め物、煮物に適しています。 |
モモ肉 | 赤身を好む方には最適の部分で、ステーキ、焼肉、煮込みに向いています。 |
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※このページの情報は2023年3月時点のものです。
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