旬のうまいもの特集
幻の恵水プロジェクト
- コンテンツ:
- 「恵水」とは
- 「幻の恵水」とは
- 二所ノ関親方が梨産地を訪問
- 幻の恵水の栽培に挑戦する生産者インタビュー
- 幻の恵水生育状況
- 幻の恵水の収穫
- 幻の恵水の高級果実店での販売
- 『幻の恵水プロジェクト』成果報告会
郷土の名横綱 二所ノ関親方が応援団長に就任!
全国屈指の梨産地である茨城県の梨生産者が取り組む『幻の恵水プロジェクト』
全国屈指の梨産地である茨城県。県内で生産されているさまざまな品種の中でも、県オリジナル品種の梨「恵水(けいすい)」は、大玉で糖度が高いことが特長の梨です。この恵水のトップブランド化に向け、県と梨生産者たちは、1万果に1果と言われるほど希少な「幻の恵水」(重さ1kg以上、糖度14度以上、外観が優れるもの)の栽培に挑戦する『幻の恵水プロジェクト』を立ち上げました。
本プロジェクトに立ち向かう梨の生産者たちは、数々の困難に不屈の精神で打ち勝ち、相撲道を邁進した茨城県出身の名横綱 二所ノ関親方(元横綱 稀勢の里)に〝応援団長〟への就任を依頼しました。
「水分は梨で摂る!」と言い放つほど〝無類の梨好き〟である二所ノ関親方には、県内の梨生産者たちが現役引退後も梨の差し入れを続けるなど、いばらきの梨と二所ノ関親方は深い絆があり、親方もこの申し出を快諾。
親方の力強い応援を背に、横綱級の高級梨を育成する『幻の恵水プロジェクト』が、茨城で、今、始まります。
二所ノ関親方と梨生産者
「恵水」とは
茨城県オリジナル品種の梨「恵水」は、茨城県農業総合センターの研究者や技術者がその技術力を結集し、品種開発に取り組んで17年、「新雪」と「筑水」という品種をかけあわせて、約4,300個体の中から選りすぐり、誕生しました。
以来、高品質な果実を作るために生産者と一体になって栽培試験を繰り返し、平成23年(2011年)に品種登録されました。
平成25年(2013年)から県内で栽培が開始されて以降、年々栽培面積が増えており、おいしい果実がみなさんに届くようにと、大切に育てられています。
茨城県オリジナル品種の梨「恵水」
- 恵水の圃場
- 恵水の栽培の様子
収穫時期は9月上旬~下旬ごろ。秋の深まりとともに最盛期を迎えます。
恵水の特長
①とってもあまい!糖度は平均で約13度!酸味が少ないので甘みが強く感じられます。
②大玉でたっぷりの果汁! 恵水はみずみずしい大果の梨で、シャリシャリとした爽やかな食感です。
「幻の恵水」とは
今秋に「幻の恵水」が無事収穫できた暁には、都内高級果実店において、「幻の恵水」の名称での販売を予定しています。
二所ノ関親方が梨産地を訪問
本プロジェクトの始動にあたり、応援団長に就任いただいた二所ノ関親方が、「幻の恵水」の栽培に挑戦する県内の梨農園を6月16日に訪問し、生産者を激励するとともに、プロジェクトの成功を祈念しました。
「幻の恵水」の栽培に挑戦する草間勝美さんの梨農園を訪問した二所ノ関親方は、『幻の恵水プロジェクト』に対する生産者の意気込みなどに耳を傾けつつ、6月に県内に開所した「二所ノ関部屋」の部屋開きをひきあいに、「これから、この茨城の地で、たくさんの関取、そして横綱、大関を育てるという夢に向かって頑張っています。育てるということは、なかなか思い通りにいかないことも多いですが、一緒に大きく育てていくことを頑張っていきましょう」とコメント。さらに、「幻の恵水」の栽培成功を祈念して生産者に「しめ縄」を贈呈するとともに、梨の摘果作業も行いました。
- 『幻の恵水プロジェクト』のシンボルツリーに取り付けられた「しめ縄」
- 摘果作業を行う二所ノ関親方
幻の恵水の栽培に挑戦する生産者インタビュー
茨城県梨組合連合会 会長 草間 勝美さん
近年は、生産労力を省力化でき、従来に比べて短期間での収穫が可能な「梨のジョイント栽培」を開始するなど、新技術の導入や後進の育成も精力的に行っています。
恵水の開発に当たっては試験栽培から携わり、恵水のPR活動を積極的に行っています。
磯山 仁さん
本プロジェクトにかける想いを伺うと、「プロジェクトメンバーに入れてもらったからには必ず『幻の恵水』を出したい。その気概で一生懸命やっています」
箱守 敬一さん
本プロジェクトにかける想いを伺うと、「大きな恵水ができやすいのは、2年目3年目の樹です。それらの樹の中でも果台(果実の果柄が出ている果柄枝の先端部位)が大きなところが大玉になるので、果台が大きな枝を残すようにしています。また、枝の先まで養分を行き渡らせるために日当りをよくして光合成を促進したいので、工夫して剪定(余計な枝を切ること)をしています。恵水は大きくなってから形が乱れるので最後の最後まで気を抜けない梨ではありますが、残す枝、切る枝を見極めて『幻の恵水』を出したいです」
飯村 栄さん
JAやさと梨部会の飯村さんは、やさと地区梨農家の三代目。剪定した枝を炭にして土に返し土壌改良を行うなど、各圃場に合わせた樹勢と土のバランスを取るこだわりの栽培方法で、昨年(2021年)は1kg以上の恵水を10玉以上出したそうです。
幻の恵水生育状況
8月下旬に草間勝美さんの梨畑におじゃまして、「幻の恵水」の生育状況をお聞きしました。
「今年は雨が少なく小玉傾向が心配されましたが、小玉の実を通常より1回多く摘果するなど、大玉の栽培に向けて丁寧な栽培管理を行ってきました。私の梨畑では果実が順調に肥大しているので、無事「幻の恵水」が収穫できることを期待しています」
果たして「幻の恵水」はできるのでしょうか?!
9月の収穫まで天候不良等がないよう、祈るばかりです。
- 草間さんと『幻の恵水プロジェクト』のシンボルツリー
- 恵水の生育状況
幻の恵水の収穫
9月中旬。草間さんの梨畑で「幻の恵水」の候補となる恵水の収穫が始まりました。
収穫後、重さと糖度を計測し、基準をクリアした中でさらに見た目の美しいものだけが「幻の恵水」となります。
磯山さん、箱守さん、飯村さんの梨畑でも収穫が始まっています。
「幻の恵水」はできたのでしょうか?!
- 収穫が始まった恵水
- 幻の恵水候補の恵水
- 「幻の恵水候補」を収穫する草間さん
- 「幻の恵水」はできたのでしょうか?!
幻の恵水の高級果実店での販売
幻の恵水
4人の梨生産者が栽培に挑戦した「幻の恵水」。
「重さ1kg以上、糖度14度以上、外観が優れるもの」の厳しい条件をクリアした1玉が、9月12日から高級果実店の京橋千疋屋で販売されました。
価格は、1万果に1果と言われる超希少梨、「幻の恵水」の名にふさわしい、1玉10,800円となりました。
『幻の恵水プロジェクト』成果報告会
茨城県と茨城県梨組合連合会は、『幻の恵水プロジェクト』応援団長の二所ノ関親方に「幻の恵水」の収穫を報告するため、二所ノ関部屋を訪問。二所ノ関親方に「幻の恵水」を贈呈しました。
茨城県梨組合連合会会長の草間さんと「幻の恵水」を受け取る二所ノ関親方
「重さ1kg以上、糖度14度以上、外観が優れるもの」の条件を満たした「幻の恵水」を贈呈された二所ノ関親方は、「この大きさの梨を見るのは初めてでびっくりした。1個1万円なんて想像がつかなかったが、実際に見てどれほど貴重な梨か分かった。横綱級の『幻の恵水』を食べるのが楽しみです」とお礼の言葉を述べました。
草間さんは、「今年は雨が少なく梨の実が大きくなりにくい天候で非常に苦労しました。それでも何とか1kg以上の大玉にしようと、摘果作業の回数を増やすなど努力をしました。また、梨の実にキズがつかないように、梨の実に枝が当たるところにクッション材を挟むなどして、丁寧に管理をしました」と栽培の苦労を語りました。
- 恵水ジュースで乾杯
- 恵水を試食する二所ノ関親方
通常サイズの恵水を試食した二所ノ関親方は、「シャキシャキでみずみずしくて甘みのバランスがよい。冷やして稽古終わりに食べたら最高ですね!」と絶賛していました。
お祝いのくす玉を割りました
※このページの情報は2022年10月時点のものです。
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