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2025-10-01 ニュース
食の宝庫・茨城県の食材をシェフと巡る旅 ファビオ飯meets茨城をたべよう ~栗~
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豊かな自然に恵まれ、山の幸も海の幸も豊富な茨城県。そんな茨城県自慢の食材と、食をこよなく愛するシェフのコラボレーション企画第二弾!
YouTubeチャンネル「ファビオ飯/イタリア料理人の世界」をはじめ様々なメディアで活躍する料理人・ファビオシェフと、茨城県の誇る食材と出会う旅に出かけました。
ファビオシェフについてはコラボ第一弾企画「常陸牛(茨城県認定)」の記事もご覧ください。
https://www.ibaraki-shokusai.net/topics/detail/18184
第二弾のメイン食材は、秋の味覚の代表格「栗」です。茨城県は、栽培面積・産出量とも全国第1位を誇る栗の生産地です。(令和5年産農林水産省野菜生産量出荷統計)。とりわけ、県内一の栽培面積を誇るのが笠間市。昼夜の寒暖差や、保水性・通気性に優れた火山灰土壌が栽培に適しており、美味しく薫り高い栗を育みます。
そんな中でも、栗の生産が特にさかんな笠間市岩間地区の「愛樹マロン」に、シェフとお伺いしました。
今回は、どんな栗レシピが完成するのでしょうか?
茨城の栗について、詳しくはこちら▽
https://www.ibaraki-shokusai.net/brand/chestnuts
愛樹マロンについて、詳しくはこちら▽
https://www.ibaraki-shokusai.net/seisan/detail/18181
以前にも笠間に訪れたことがあるというファビオシェフ。「僕は笠間が大好きなんです!料理にとって、盛り付ける器も大事ですから、笠間焼にも興味があります。なので、笠間に来ることができてとても嬉しいです」と話します。
愛樹マロンがある岩間地区に入ると、あちらこちらに栗の木を見ることができます。「こんなに栗がたくさんあるんですね、すごいです!」とシェフも驚いていました。
愛樹マロンに到着すると、迎えてくれたのは、店主の西野歩さんはじめご家族の皆さま。実は皆さま、ファビオシェフのYouTubeチャンネルをご覧になっていただいているそうで、「いつも動画で見ているシェフが来てくれるなんて、とっても楽しみにしていました!」と大歓迎です。
中でも、普段は都内で暮らす大学生の甥っ子さんは、パスタが大好きでファビオシェフのレシピをいつも作っている大ファンとのこと。シェフの人気ぶりがうかがえます。
笠間の栗を求めて、愛樹マロンへ
笠間市内では栗を活用した加工品の開発が積極的に行われており、焼栗やモンブランなどが多くのお店で販売されています。愛樹マロンもそのひとつですが、栗の自家栽培から加工・販売までを一手に行っています。
愛樹マロンの大きな特徴は「矮化栽培(わいかさいばい)」という特許も取得した特別な手法で栗を栽培していること。大粒で高糖度の栗を使った焼栗が看板商品です。
元は貯蔵蔵だった建物を改築したという店舗には加工場や貯蔵室も備えられており、さっそくバックヤードを見学させていただくことに。
栗は収獲されるとまず、マイナス1~2度の低温貯蔵庫で4週間保管されます。低温貯蔵することで、薬品によるくん蒸処理をせずに殺虫できるだけでなく栗が熟成されより甘みが増すといいます。愛樹マロンのように、笠間の栗生産者は各々が工夫を凝らし美味しい栗を届けようと切磋琢磨しています。
なんと、取材に伺った日(8月下旬)にちょうど今年初物の栗が届いたそう!トップバッターの品種は玉造(たまつくり)。「ぜひ見たいです!」と、貯蔵庫の中もご案内いただきました。
視覚・触覚・嗅覚で栗を感じるシェフ。料理人としての目線からこんな言葉も。
「貯蔵した後だけじゃなく、収獲したての栗とぜひ両方の味を試してみたいですね。料理に使うならば、甘くない栗の良さもあると思うので」
また、シェフは品種にも着目。「玉造の他には、どんな種類の栗があるんですか?」と質問するシェフに、よくぞ聞いてくれましたと西野さん。「栗には食べられるものとそうでないものがありますが、食べられるものだと20種類ぐらいあります。愛樹マロンでは、丹沢やぽろたん、筑波、石鎚(いしづち)などを栽培していますね。玉造の次は丹沢のシーズンです」と話す西野さんにシェフは「丹沢は僕も大好きでよく使っています!美味しい栗です」と頷いていました。
ぽろたんは初めて聞いたようで「ぽろたんってかわいい名前ですね」と興味津々。愛樹マロンでもオススメしているというぽろたんは、加熱すると、鬼皮と一緒に渋皮がぽろっと剥ける画期的な栗です。
茨城では早生~晩生まで多くの栗品種が栽培されており、時期を追いかけるように収獲されていきます。茨城をたべようでもご紹介している、茨城でとれる栗の一覧を見て「色も形も全然違うんですね!これが全部茨城でとれるのはすごいですね。全部比べてみたいです」とシェフ。
貯蔵庫の前には加工スペースがあり、器具がずらりと並んでいました。まだシーズン前で稼働はしていませんが、「これはなんですか?」とシェフの興味を引くものばかり。まず西野さんが紹介してくれたのは、焼栗を作る機械です。
「ガスの圧力釜になっていて、熟成栗に切れ目を入れてからこれでぐるぐる回しながら焼きます」と西野さん。
「焼き」の工程は必ず決まった職人が担当し、そのときの気温や湿度、栗の大きさや特徴を見極めて焼くのもこだわり。「焼き時間はどれぐらい?」「サイズにもよりますが、じっくり焼き上げるので最低でも25分はかかりますね」……と、シェフからの質問が止まりません。
焼栗製造機の他にも、栗に切れ目だけを入れる機械や鬼皮を剥く機材、裏ごし機など様々な器具が備えられているそうです。
実は愛樹マロンは元々、西野さんのお父様・稲垣繁實(しげみ)さんが省力化装置の設計・製作をしていた会社の一部門としてスタートした会社。栗の栽培のみならず、加工にも精通しているのです。
「初めて見る機械ばかりです。手作業でやっているのかな、と想像していたので、それぞれの作業ごとに機械があるなんて驚きました」とシェフ。「収獲のハイシーズンになると栗が一気に落ちるので、加工作業も追いつかなくなってしまうんです」「一日でどれぐらい落ちるんですか?」「多い時で、1000~2000キロぐらいは。栗剥き専門の職人さんもいるんですよ」「そうなんですか!イタリアも栗が有名ですが、手間のかけ方が違いますね」
そんなやり取りから、話題は和栗とイタリア栗の違いについてへ。今度は西野さんからシェフに質問が投げかけられました。
「和栗とイタリアの栗はどんな風に違うと思いますか?」
「和栗とイタリア栗は全然違いますよ!イタリアの栗は香りがよく、日本の栗は甘さがあって美味しいイメージです。ローマの近くにヴィテルボという栗の産地があって、よく行っていました」というシェフの言葉に頷いたのは繁實さんです。
実は繁實さんは、岩間にゆかりの深い合気道の師範でもあり、大会や講習会等で海外へも足を運ぶことが多くあるそう。イタリアを訪れたこともあるといい「街中で栗の販売をしているのを見かけました」と話す繁實さんにシェフも「イタリアではシーズンになるとあちこちに焼栗の屋台が出て売られていますね」と盛り上がります。
実は他にも愛樹マロンとイタリアをつなぐエピソードが。以前、イタリアの方が働いていたそうで、イタリアで食べていた伝統的な栗のお菓子を作ってくれることがあったのだとか。日本人がイメージするスイーツとは違い驚いたという愛樹マロンの皆さんからお菓子の特徴を聞いたシェフは、「たぶん栗のケーキだと思います」とシェフ。栗の粉を使った焼き菓子で、素朴な味わいの郷土菓子なのだそう。
話題に花を咲かせながら、続いて愛樹マロンの商品が並ぶショップを案内してもらいました。
本格的な栗シーズン開始前のため、焼栗はまだ並んでいませんでしたが、愛樹マロンでは栗の風味を生かした加工品を販売しています。焼栗の香ばしさと甘さを生かしたアイスやケーキ、プリン、ポタージュにおしるこ。栗がごろごろと入った贅沢なドーナツ、大粒でホクホクの栗そのものの美味しさを味わえる甘納糖、まるでモンブランクリームのようなミルクジャム、笠間産の美味しいお米と炊き上げた栗おこわなどなど。
笠間焼の器やかわいい小物も置かれています。
定番スイーツからお食事系までどれもオリジナルで開発したものですが、共通しているのは愛樹マロン自慢の豊かで濃厚な栗の美味しさを堪能できること。シェフも「どれも気になるし食べてみたいものばかりです!美味しそう!」と目を輝かせていました。
中でもシェフが気になっていた様子だったのは、「大粒栗のほくほくカレー」。繁實さんのアイデアで、ジャガイモの代わりに熟成栗を入れてみたのだそう。「意外な組み合わせと思いましたが、スパイスの辛みの中に栗の甘みと旨みが加わったら美味しそうですね」とシェフも納得のコンビネーションです。
愛樹マロンの「大粒栗のほくほくカレー」について 詳しくはこちら
https://www.ibaraki-shokusai.net/rokuji/detail/4553
「よろしければ、栗の畑に行ってみませんか」と繁實さんにご案内いただき、車で数分ほどの距離にある愛樹マロンの栗畑も見せていただきました。愛樹マロンの栗畑は総面積約10ヘクタール、8,000本の栗の木が植えられています。
見せていただいた畑は約4ヘクタールに栗の木3,200本。
据え付けられたコンテナの上からの景色がオススメと繁實さんに聞いてすぐに上がっていったシェフは「すごい!良い景色!こんなに栗が植わっているところはあまり見られないですね」と喜んでいました。
矮化栽培は、一般的な栗の木よりも樹高が低く抑えられているのが特徴。シェフも「イタリアの栗の木よりもひと回り以上小さいですね。枝も、イタリアの方が太い」と頷きます。
品種によって木の形も異なるといい、例えばぽろたんの木は長細いのだとか。
「これがぽろたんの木ですよ」と繁實さんが示した木には、まだ青いながら既に大きく育っている毬がついていました。あと半月ほどでさらにぐっと大きくなり、収穫期を迎え自然と木から落ちるそうです。
毬や葉にも触れ、鼻を近づけ香りを確かめるシェフ。特に、栗の葉に興味をひかれた様子で、料理のヒントを得られたようです。
「葉っぱがオリーブみたいな香りがします。料理に使えますよ!例えば豚肉を焼くときに一緒に焼いたり。葉っぱは何かに使ったりしないんですか?」という質問に、栗の葉は特に使い道がないと西野さん。
「何かに使えるのであれば、ぜひよろしければお持ちください」と葉をたくさん摘んでくれました。
栗畑からショップに戻ると、西野さんからサプライズで「ぜひシェフに食べていただいて、感想を教えてもらいたいです!」と試食をご用意いただきました。まずいただいたのは、ぽろたんの焼栗。昨年の冷凍保存分を特別にお出しいただきました。今年の新物は10月10日ごろより、店舗限定で販売される予定です。
「とてもホクホクした食感。これだけでもう完成されていて、すごく美味しいです」とシェフも太鼓判です。また、料理とのマッチングも浮かんだよう。
「根菜みたいな香りに、じゃがいものようなホクホク感。料理にするなら、卵と相性が良さそうですし、ぽろたんニョッキやリゾットもいいですね。イタリアで栗の料理というとクリームソースとか、濃くしがちなイメージがあるんですが、せっかくここまで素材が美味しいので逆にシンプルなパスタで作ってみたいです。できるだけ余計なことをしたくない。あと、栗の葉もぜひ料理に使いたいですね」とシェフ。
他にも、焼栗のアイスクリームとポタージュも試食。アイスはひと口食べた瞬間「すごく栗の風味が濃い!これは攻めましたね」とシェフも驚く濃厚さ。焼栗のポタージュは「イタリアのトスカーナの白いんげん豆のスープに近い味。甘みがあってとても美味しい!」とこちらも太鼓判を捺していました。
ファビオシェフとのふれあいを経て、愛樹マロンの皆さんからは「全員、すっかりシェフのファンになってしまいました!」という声も届きました。
食材、風土、技術、道具、歴史、そして人。出会ったあらゆるものと真摯に向き合い、料理の糧として吸収するファビオシェフ。笠間の栗と出会い、どのような料理を作ってくれるのでしょうか?
笠間近郊の食材を求めて、「道の駅かさま」へ
せっかく笠間に来ていただいたので、地元の農産加工品をシェフに紹介しましょう!向かったのは、「道の駅かさま」内の直売所「みどりの風」です。
https://www.ibaraki-shokusai.net/shop/detail/10544
「前回の常陸牛の時にお伺いさせていただいた直売所で購入した品々がどれも本当に素晴らしいものばかりでした」とファビオシェフ。今回の直売所も楽しみにしてくださっていたようです。
観光シーズンはもちろん、常ににぎわう道の駅かさま・みどりの風。県外から訪れる人も多く、生鮮品から加工品まで多彩な品揃えを誇ります。
特に秋には栗が大人気。既に販売コーナーができていましたが、入荷すれば飛ぶように売れてしまうといい、我々が訪れたタイミングでは残念ながらショーケースは空でした。並んでいるのを見かけたら、ぜひチェックしてみてください!
栗の加工品も豊富。お菓子はもちろん、栗のお茶や栗の渋皮入りうどんといった一風変わったものまで見つかります。
店内を見ていると、旬を迎えている梨のコーナーが。茨城のオリジナルブランド・恵水は残念ながら取材の時期にはまだ並んでいませんでしたが、「恵水もぜひ食べてみたいと思っているフルーツです。今度は恵水のシーズンの時にも茨城に来なければいけませんね」と次のチャンスに期待を寄せます。
また、シェフが興味を示していたのが日本酒。優れた石の産地としても有名な笠間は、美味しい水と米に恵まれた場所。笠間市内には三つの酒蔵があり、県内でも古くから酒造りが行われてきた地と言われています。そんなストーリーを聞けば「ぜひ味わってみなければいけませんね」とシェフ。
冷蔵ショーケースでは、ずらりと並ぶ納豆に興味津々。迷った末に手に取ったのは、茨城以外ではなかなかお目にかかれないわら納豆でした。
そして。「これは料理に使いたいです」とシェフが手に取ったのは、唐辛子。それから、ローリエなどハーブ系のものに注目しているようでした。既にシェフの頭の中では、どのように栗を調理するか考えを巡らせているようです。
他にも、スーパーでは手に入らないローカルな調味料や、旬の野菜などなど。今回も、カートはあっという間に満載になりました。
ツアー後、シェフから特に印象深かった品物についての感想をいただきました。
【笠間市の銘酒 郷の誉】
最初に感じるクリアなミネラル感が心地よく、その後にお米本来の甘みが優しく広がっていきます。
透明感とふくらみが同居した味わいで、とても印象に残る美味しさでしたので実際に酒蔵を訪れたくなりました。
【太陽の恵み 梅干し】
笠間の梅干しは、太陽の恵みをぎゅっと凝縮したかのような深い味わい。
鮮やかな酸味の中に、梅本来のまろやかな甘みが広がりや華やかな紫蘇の香りがあり、食べ進めるほどに心がほどけていくようでした。
【だるま納豆】
藁に包まれた「だるま納豆」は、口に運ぶと豊かな粘りとともに大豆の甘みとコクが広がり、余韻まで香ばしさが残りました。
昔ながらの味わいをしっかり感じられて、とても印象に残る美味しさでした。
いばらきの食材に触れる旅を経て、今回、ファビオシェフが構想したのは 【栗(ぽろたん)】を主役にしたパスタです。
「ファビオ飯」の中でも大人気を誇るパスタレシピ!
茨城の栗を使って、シェフはどのようなパスタを提案してくれるのでしょうか?
その様子はファビオ飯Youtubeチャンネルでご覧いただけます。
https://youtu.be/57eKJasGsiE
【取材協力】
愛樹マロン(あいきマロン株式会社)
住所: 茨城県笠間市下郷4147-1
TEL:0299-57-1088
https://www.ibaraki-shokusai.net/seisan/detail/18181
道の駅かさま
住所:茨城県笠間市手越22番地1
TEL:0296-71-8831(直売所 みどりの風)
https://www.ibaraki-shokusai.net/shop/detail/10544
※上記の情報は、2025年10月1日時点の内容です。
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